そこは、魔王城と呼ばれる気味の悪い城であった。
何もかも巨大にできている広大な城、そして無数のモンスターが徘徊している、魔物の巣窟である。

 

その昔、ここで勇者ラグナスと、魔王エレクティスが決戦をした場所でもある。

 

しかし、決着はつくことはなく、今もここは変わらぬ風景を漂わせていた・・・。
今も昔も変わらない・・・そこには、魔王がいて、魔物がいて・・・

 

・・・いや・・・一つだけ変わっただろうか

 

今は、魔王に娘がいるのである。

 

 


・・・

 

 

 

・・・

 

 

 

FOLTEは言った:ん・・・ふあぁぁっ・・・

 

 

充分な睡眠がとれたのか、自然に目が開く。
FOLTEは上半身を起こして大きなあくびをする。

 

 

FOLTEは言った:はぁ・・・相変わらず寝にくいわ・・・このベッド無駄にデカいのよ・・・

 

 

そのベッドは男のパンデモスが3人大の字で寝ても大丈夫なくらい広いベッドであった・・・。
しかもドクロの飾りなどがされていてかなり趣味が悪い。

 

 

FOLTEは言った:しかも趣味悪いし・・・まったく、なんでここは何もかもこう無駄にデカいのかしら?

 

 

大きいのはベッドだけではない・・・部屋の扉や窓も普通の2~3倍は大きい。

 

 

FOLTEは言った:ん・・・ふわぁ~~・・・ふぅ、さて、今日はどうしようかしら?

 

 

もう一度あくびをして、何をするかを考える。
退屈な日々が続く毎日・・・なんというか、充実していない、つまらない毎日・・・。

 

 

トンットンッ

 

 

FOLTEは言った:ん・・・?

 

 

FOLTEの部屋の扉を叩く音がする・・・、いや、どちらかというと何かがあたる音だった

 

 

「FOLTE様~、FOLTE様~」

 

 

扉のむこうから何やら力の抜ける優しい声が聞こえてくる。
この声は・・・間違いなくあいつだった・・・。コウモリのRemiliaである。

 

 

FOTLEは言った:Remiliaかしら・・・あいつから呼んでくるのは珍しいわね、何の用かしら・・・?

Remiliaは言った:FOLTE様~!開けてください~!・・・うーん、もしかしてまだ寝てますか~?

FOLTEは言った:・・・

 

 

すっかり目は覚めているのだけど、わざと声をかけず黙ってRemiliaの反応をうかがう。

 

 

Remiliaは言った:うーん、うーん・・・うぅ~・・・扉が開かないよぉ~・・・

 

 

RemiliaはFOLTEを起こすために部屋に入ろうと試みてドアノブを回そうとするが重くてあけることができない。
コウモリでは扉を開けるのはほぼ不可能だと思われる。

 

 

Remiliaは言った:う~ん・・・あ、そうだ!人間の姿に変身すれば開けられるかも!

 

 

そういうとRemiliaは目をつぶって静止する。

 

 

Remiliaは言った:へ~んしん!!

 

 

ボンッ、と音がなったかと思うと、突然Remiliaが煙に包まれる。
しばらくして煙が消えるとRemiliaは背中に羽、頭に魔女の帽子をつけただけの少女の姿に変身していた。

 

 

Remiliaは言った:うぅ、この格好恥ずかしいよぉ・・・なんで裸なんだろう・・・と、とにかく開けよっ・・・

Remiliaは人間の姿で再び扉を開けようとする・・・しかし・・・

Remiliaは言った:・・・あ、あれ?ドアノブに手が届かない~~~!!?

 

 

人間の姿になったのはいいが扉が大きすぎて開けることができないRemilia
ピョンピョンと跳ねてみたり、よじ登ろうとしてみるがまったく意味がない。

 

 

Remiliaは言った:はぁ・・・はぁ・・・あ、そうだ・・・コウモリに変身すれば届くかも

 

 

再びにコウモリに変身するRemilia、すると空を飛んで見事にドアノブに届くが・・・

 

 

Remiliaは言った:むぐー・・・んー!開かないよぉ~~!!あ、そうだ人間に・・・

FOLTEは言った:・・・・・・

 

 

Remiliaの低脳な行動にFOLTEは思わず呆れてしまう・・・。
FOLTEは軽くため息をついてベッドから降り、扉を開けようとした。

 

 

FOLTEは言った:・・・所詮はケモノか・・・

 

 

ギィィ・・・

 

 

FOLTEは言った:・・・何してんの?

Remiliaは言った:Σ

 

 

FOLTEはフツーに扉を押してあける、実はこの扉ドアノブがついているにも関わらず
押しただけで開くようになってたりする。

 

 

Remiliaは言った:えっ・・・あ、あははは・・・なんでもないですよぉ・・・って、わぁ!?

 

 

Remiliaは顔を赤らめて笑ってごまかし、なんでもないと下手な嘘をつく。
そして、姿を現したFOLTEの姿を見て驚きをあげた・・・。
FOLTEは裸の状態なのであった・・・。

 

 

Remiliaは言った:FOLTE様!?な、な、なんで裸なんですかぁ~!?そんなお年頃の娘がはしたないですよぉ~・・・

FOLTEは言った:何いってんのよ・・・寝起きだからしょうがないでしょ?寝る時は裸が基本なんだから・・・

Remiliaは言った:基本!?

 

 

あたふたと騒がしい動きをして驚き、顔を真っ赤にするRemiliaだが・・・そこまで驚くことだろうか・・・。
確かに寝る時は普通パジャマとか肌着の一枚くらいつけるものかもしれないが・・・正直私はそういうのは邪魔くさい。

 

 

Remiliaは言った:そ、その・・・はやく服きてください・・・

FOLTEは言った:はいはい、言われなくても着るわよ、女の子同士なんだからそこまで恥ずかしがらなくていいじゃないの

Remiliaは言った:そ・・・そんなこと言われてもぉ・・・

FOLTEは言った:・・・で、何のようなの?

 

 

いつもの服に着替えながら質問をする。

 

 

Remiliaは言った:あ、はい・・・FOLTE様、魔王様が呼んでます~

FOLTEは言った:魔王?母様が?

Remiliaは言った:はい~

FOLTEは言った:いったい何かしら・・・

 

 

母様が私を呼ぶことは珍しい。ほとんど呼ばれることはなく、最近はせいぜい食事の時とか
たまたま廊下で出会う程度のものだ・・・。そんな母様がいったいどうしたのいうのだろうか。

 

 

Remiliaは言った:あ、それと・・・FOLTE様!18歳の誕生日おめでとうございます~!!

FOLTEは言った:ん・・・誕生日?

 

 

着替え終わって、少しだけ考えてみる、今日は何の日だったか。
よく考えると今日は私の誕生日だった。
同じようなこと繰り返しているような退屈な毎日
そんな日々をすごしていたせいか、今日が何の日かさえ忘れてしまっていた

 

 

FOLTEは言った:ということは・・・母様の用というのはそういうことかしら・・・

Remiliaは言った:着替え終わりましたか~?じゃあいきましょう、魔王様待たせると怖いですよ~・・・?

FOLTEは言った:はいはい・・・じゃ、いくわよ

Remiliaは言った:は~い

 

 

部屋を出る準備はできた。FOLTEは扉を開けて廊下にでる。この廊下がまた無駄に広い。
ギガースがすんなり通れるくらい広い。その廊下をFOLTEが歩き、Remiliaが後ろからついてくる。

 

 

FOLTEは言った:ところでRemilia

Remiliaは言った:はい、なんでしょう?

FOLTEは言った:扉開けようとした時の話に戻すけど、あなたは人間になっても羽あるから飛べるわよ

Remiliaは言った:あっ・・・

FOLTEは言った:・・・・・・

 

 

 

 


・・・この天然素材め・・・

 

 

・・・

 

 

・・・

 

 


Remiliaは言った:魔王様~、FOLTE様をお連れしました~

 

 

「ふふ、ご苦労・・・Remilia・・・」

 

 

そこは薄暗い広間であった、さすが魔王の城というだけあって不気味な雰囲気を漂わせている。
その奥に王座と思われる豪華な椅子があり、その椅子に魔王を呼ばれるエルモニー、エレクティスが座っていた。
さらに、魔王の膝にカオスアビシニアンのMiaがゴロゴロとしており、魔王はMiaの頭をなでていた。
王座の横には少し小型のネオクドラゴン、Lunatiが座っていた。

 

 

Lunatiは言った:きたか・・・

Miaは言った:・・・・・・

 

 

Lunati、こいつは魔王エレクティスに忠誠を誓っているドラゴン。
自分より力の低いものや下等な動物と見れるものはすべて見下す嫌な性格・・・。
まぁでも、ドラゴンというだけあってその実力は本物、あなどれないわね・・・。

 

 

Mia・・・こいつは何を考えてるのかよくわからない、気まぐれで行動が読めないし、その姿の通り猫っぽい。
だいたいここにいる魔物はみんな喋れるんだけどこいつだけはほとんど喋らないし、無口だし・・・。
あと、Remiliaと同じで変身能力があるみたいだけど・・・。

 

 

・・・そしてこの偉そうに王座に座ってるのが私の母、魔王エレクティス・・・。
親子で血の繋がった仲だけど、私はあまり母のことが好きではなかった。
いつもすましてて傲慢で、いつでも世界を滅ぼせるみたいな余裕な素振りしてて・・・
不満をあげるとキリがない、とにかく私は母が好きではない・・・。

 

 

FOLTEは言った:おはよう、母様

エレクティスは言った:おはよう、FOLTE・・・よく眠れたかしら?

FOLTEは言った:ええ、まぁね・・・

 

 

本当はいつも寝づらいのだがごまかしておく

 

 

エレクティスは言った:さて、FOLTE、あなたを呼んだのは他でもないわ

エレクティスは言った:18歳の誕生日、おめでとう

 

 

エレクティスは拍手した

 

 

FOLTEは言った:ありがとう、母様

 

 

FOLTEはうやうやしく礼をした

 

 

今日は誕生日だからといって特に御馳走がでてくるわけでもないし、特に何かもらえるわけでもない。
幼いころはまだこれぞ誕生日、って感じのしてた気がするけど・・・すっかり変わってしまった。

 

 

エレクティスは言った:18歳といえば堂々とエロ本が読める歳ね、よかったわね

Remiliaは言った:エロ・・・Σ

Miaは言った:Σ

Lunatiは言った:・・・魔王様・・・

FOLTEは言った:・・・・・・

 

 

また始まった・・・、唐突に説明するが、母は下ネタ話が好きよくこういう話題をもちかけてくる。
なぜそこでエロ本の話を出してくるのか理解できない、母のこういうところも嫌いなとこの一つだった。
下僕達もここだけは呆れ返っているようだ。

 

 

エレクティスは言った:でもエロ本は18歳からっていうけど、律儀に守ってるやつなんていないわよねー、FOLTEも見てるでしょ?

FOLTEは言った:見てないわよ

エレクティスは言った:嘘おっしゃい、思春期の子供がもってないわけないじゃないの、ベッドの下とかに隠してるでしょ?

FOLTEは言った:黙れババア

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

 

 

 

エレクティスは言った:・・・ババアですって?

Miaは言った:ビクッΣ

Remiliaは言った:ひ・・・!?

Lunatiは言った:ぬおっ!?

FOLTEは言った:・・・やばっ

 

 

この辺一帯が急変しておぞましい空気が流れ込む・・・。
背筋が凍るような強烈なプレッシャーがFOLTEと下僕達に襲い掛かる。
膝の上に乗っていたMiaはその威圧に耐えることができずそそくさと逃げていった・・・。

 

 

エレクティスは言った:いくらあなたはあたしの娘といっても言っていいことと悪いことが世の中にはあるということを(ry

Lunatiは言った:おいFOLTE!大人しく謝れ!

FOLTEは言った:嫌だ、絶対謝らない・・・

Lunatiは言った:うおおおそういうところだけ母親に似やがってー!!

 

 

カオス フレア チャージ!!

 

 

まるで般若にでもとりついたような鬼の形相をする母。
しかもなんかカオスフレアを両手にチャージしてる、これはやばい、マジでやばい、死ぬ。

 

 

FOLTEは言った:・・・か、母様、冗談ですわよ、冗談、おほほほほ・・・

Lunatiは言った:おほほ!?Σ

 

 

思いっきりあせってしまい、考える間もなく出てきた言葉がこれだった・・・

 

 

エレクティスは言った:あら、冗談なの、言うようになったわね~・・・ふふふっ

FOLTEは言った:母様が育てた子供ですもの、これぐらいは言わないと・・・おほほほほ・・・

Lunatiは言った:た、助かった・・・

Miaは言った:・・・・・・(フルフル

Remiliaは言った:・・・・・・(フルフル

 

 

・・・すごくわざとらしいごまかしかたをしたがなんとか切り抜けられたようだ・・・。
RemiliaとMiaはそこにあった柱に隠れて二匹して涙目で震えていた、よほど怖かったようだ・・・。

 

 


それにしても危なかった・・・魔王の力は衰えたというが、さっきのようにカオスフレアを
瞬時に詠唱してしかも両手にチャージ、ニ発同時に撃ってくるのだ・・・。
魔力だけでなく身体能力も半端じゃなく、ジャブが一秒間に85発だせるくらいの力はある、逆らわないほうが懸命だろう。

 

 

エレクティスは言った:さぁ・・・冗談はこれまでにして、FOLTE、今日から世界征服をやってもらうわ

FOLTEは言った:そう、わかったわ

 

 

 

・・・

 

 

 

ホワッツ?

 

 

 

FOLTEは言った:・・・えっ?

エレクティスは言った:あらーやってくれるの?お母さん嬉しいわー

FOLTEは言った:ちょ、ちょっと待って、よく聞いてなかったから今のなし

エレクティスは言った:だめよー、男の二言はないのよ

FOLTEは言った:いや女だし

 

 

そんなお約束なギャグはどうでもいいので本題に入りたい。
いきなり世界征服よろしくとか言われても困る。

 

 

エレクティスは言った:まぁ、あなたにはいずれ世界征服をしてもらうつもりだったのよ
           18歳といえばエロ本も読めるいい大人なんだし、あなたに魔王の座を譲ろうと思ってね

FOLTEは言った:そんなこと急に言われても困るわ、それに、世界征服ってめんどくさそうじゃないの・・・
        私はやりたくないわよ?あと18歳=エロ本という定義作るのやめて

エレクティスは言った:仕方ないわね・・・じゃあ世界征服をすればどんなことができるか教えてあげるわ。
           そしたらやる気もだしてくれそうだし

FOLTEは言った:・・・聞くだけ聞いてみようかしら

 

 

正直、世界征服に興味がないというわけではない。
もとい世界征服というものがどうなのかもよくわからない。
聞いてみるだけでもいいと思い耳を貸す。

 

 

エレクティスは言った:じゃあ教えるわね

 

 

そういうとエレクティスは「楽しい世界征服」と書かれた紙芝居を取り出し・・・

 

 

FOLTEは言った:それ以上ボケたら私帰る

エレクティスは言った:あぁん、これくらい許しなさいよん

 

 

しばきたい  ああ、しばきたい  しばきたい

 

でもここは我慢だ・・・相手は母様、かなうはずがない。
とりあえずボケ殺しされたエレクティスは紙芝居をしまって本題に入る。

 

 

エレクティスは言った:いい?FOLTE・・・世界を征すれば人類皆下僕、みんなあなたの言うことを聞く奴隷となるのよ

FOLTEは言った:!

FOLTEは言った:・・・みんな下僕に?

エレクティスは言った:そうよ・・・この世界にいる、人間、魔族、獣、下等生物達がみんなあなたの前にひざまつくの・・・

FOLTEは言った:・・・・・・

 

 

世界征服すればみんな私の下僕・・・私の前にみんなひざまつく・・・

 

 

つまり・・・

 

 

毎日好き勝手やりたい放題、私に逆らう者はいなくなりじっくりたっぷりいじめ倒して女王様とお呼び・・・!

 

 

 

FOLTEは言った:それ、良い!!

Remiliaは言った:Σ

Lunatiは言った:Σ

Miaは言った:Σ

 

エレクティスは言った:ふふふ・・・いいでしょ?

FOLTEは言った:母様、私世界征服するわ!!

エレクティスは言った:その意気よFOLTEー!

 

 

 


Remiliaは言った:・・・えぇ~・・・

Lunatiは言った:・・・なんだこれ

Miaは言った:・・・・・・

 

 

魔王親子のテンションについていけず取り残された下僕達・・・。
Remiliaはどうすればいいのかわからず、Lunatiは呆れてしまう。
Miaは相変わらず喋らない・・・しかし表情からして気持ちはRemiliaと一緒と思われた・・・。

 

 

・・・

 

 

FOLTEは言った:さて・・・そうと決まればさっそく出かけようかしら

 

 

考えてみればここにいても退屈なだけだし、世界征服を目指して外の世界にでるほうがよっぽどマシかもしれない。
そう考えるとはやくここからでたくなった。旅の準備はできている。

 

 

エレクティスは言った:待ちなさい、FOLTE

FOLTEは言った:ん?何、母様?

エレクティスは言った:二つほど注意しておくことがあるから聞いておきなさい

FOLTEは言った:何かしら・・・

 

 

聞いておいて損はなさそうなので聞いておくことにする。

 

 

エレクティスは言った:Pronciaに気をつけなさい、あなたの世界征服を必ず邪魔しにくるわ

FOLTEは言った:Pronciaって・・・私の妹か・・・

 

 

その昔、魔王と勇者の戦いは決着がつかず、そのまま終戦をむかえたという話を聞いたことがある。
今は私も魔王となった・・・つまり、Pronciaも勇者を受け継ぎ、私を倒しにくるということなのだろうか。
あの弱虫Pronciaにそんなことできないと思うけど・・・。

 

 

FOLTEは言った:わかったわ、気をつける

 

 

とはいってもかなり幼いころの話だし、わからないわね・・・。
気にかけておいて損はないか、何だかんだいってPronciaも私と同じ血を継いでる。
だから強くなっててもおかしくない・・・ふふ、会う時が楽しみだわ。

 

 

エレクティスは言った:よし、それと、Remiliaを連れていきなさい、きっと役に立つと思うわ

FOLTEは言った:・・・Remiliaを?

エレクティスは言った:魔王なら下僕の一匹や二匹つれておかないと格好つかないわよ

 

 

Remiliaというと、母の下僕の一匹で、変身能力を持ったコウモリである。
その一匹を連れていけというのだ。

 

 

Remiliaは言った:え・・・あたしが、FOLTE様と・・・?

FOLTEは言った:なんでRemiliaなのよ・・・こいつが役に立つとは思えないわ

Remiliaは言った:えぅ・・・

 

 

即答で否定の声を受けてしまい脱力するRemilia・・・

 

 

エレクティスは言った:ええ、役に立たないからあげる♪

 


FOLTEは言った:ええええええ!?
Remiliaは言った:ええええええ!?

 


FOLTEは言った:役に立つとかいったくせに役に立たないからあげるって矛盾してるわよ!酔っ払いかあんた!

エレクティスは言った:酷いこと言わないでよー、ジョークよジョーク、とにかく連れていきなさいよー

FOLTEは言った:いやよ、どうせならもっと強い下僕がほしいわよ、よりによってRemiliaなんてないでしょ!

 

Remiliaは言った:・・・泣いていいですか?

Miaは言った:・・・・・・(ウルウル

 

 

Remiliaは「泣いていいですか」といいながらすでに泣いている・・・その言葉はMiaに対して言ったようだが
Miaはやっぱり喋らない、だが明らかに同情してる目でRemiliaを見ていた。

 

 

エレクティスは言った:まぁ、役に立たないと思うなら自分で育ててみるのがいいわよ。
           それにRemiliaは夢魔の血を引いてるの、きっと役に立つと思うんだけどなぁ・・・

FOLTEは言った:夢魔の血・・・ねぇ・・・

 

 

説明した通りRemiliaは人間に変身することができる。
あんな芸当はただのコウモリができるはずもないし・・・あれが夢魔の血の能力の一つなんだろうか。

 

 

Remiliaは言った:FOLTE様・・・

FOLTEは言った:何よ

Remiliaは言った:あたし、FOLTE様のために一生懸命がんばります!だから、連れていってください!

FOLTEは言った:・・・・・・

 

 

確かにRemiliaは幼少のころからずっと一緒にいる、幼馴染みたいなものだ。
Remiliaがいれば話し相手には困りそうにもない、けど一緒にいるからこそ・・・

 

 

Remiliaがどれだけ弱いか知っている・・・。

 

 

FOLTEは言った:・・・・・・う~~~ん

Remiliaは言った:ぅぅぅぅ~~~・・・・

 

 

FOLTEはすごく迷っていた・・・あまりのもどかしさにRemiliaは我慢できなくなったのか少し涙目になってくる・・・。

 

 

FOLTEは言った:・・・わかったわよ、ついてきなさい

Remiliaは言った:!

 

 

散々迷って、Remiliaを見ていたが、なんだかだんだん惨めに見えてきたので了承してしまう・・・。

 

 

Remiliaは言った:ありがとうございます~~!!

FOLTEは言った:・・・はぁ・・・

 

 

さっきまでの不機嫌さが嘘のように喜んで羽をパタパタさせるRemilia・・・
FOLTEは「またやられた・・・」という感じでため息をついた。

 

 

エレクティスは言った:決まりね、そういうわけで今日からRemiliaは、FOLTE、あなたの下僕よ

FOLTEは言った:・・・私の下僕?

Remiliaは言った:はい、今日からFOLTE様の下僕です!よろしくお願いします~!!

 

 

確かにそういうことになるか・・・。
私の下僕か・・・ふむ・・・。

 

 

FOLTEは言った:ねぇ、母様、そういうことならRemiliaはどうしてもいいということよね?

エレクティスは言った:ん?ええ、そうよ、Remiliaを生かすも殺すも・・・FOLTEの自由よ・・・ふふふっ・・・

FOLTEは言った:そう、そうよね・・・うふふふ・・・そうか、私の下僕か・・・

Remiliaは言った:ビクッ・・・あ、あの・・・FOLTE様・・・?

 

 

・・・FOLTEの何かが目覚めたような気がした・・・。

 

 

エレクティスは言った:さて、長居しても何もないわよ、いってらっしゃい

FOLTEは言った:ええ、そろそろいくわね

Lunatiは言った:FOLTEよ・・・強くなったらまたここにこい、その時は力を貸してやってもいいぞ

FOLTEは言った:ん、何よ偉そうに・・・まるで私より強いという言い草ね

Lunatiは言った:ふん、確かにお前は魔王様の娘だが若造だ、負ける気はしない

FOLTEは言った:いってくれるじゃない・・・チビのルナティちゃん・・・

Lunatiは言った:なっ・・・貴様・・・!!

 

 

Lunatiは見た目の割には名前が可愛らしく、他のドラゴンに比べて体が小さいことを気にしている・・・。
そこを狙ってFOLTEはLunatiを挑発した。

 

 

FOLTEは言った:あらあら、どうしたのかしら?ルナティちゃん

Lunatiは言った:調子に乗るな若造が!・・・それに・・・我をその名前を呼ぶなぁぁぁ!!!!

FOLTEは言った:やるかコノヤロウ!!

Lunatiは言った:やんのかコラァ!!

 

Remiliaは言った:え・・・ちょ、ケンカ!?やめてくださいよ二人ともー!

エレクティスは言った:あらあら、やっちゃえゴーゴー♪

Remiliaは言った:Σ チャカさないでください魔王様!?

エレクティスは言った:冗談よー、まぁまぁ、二人ともやめなさ・・・

 

FOLTEは言った:黙れババア!! これは私の問題よ!母様は・・・あっ・・・
Lunatiは言った:黙れババア!! 我を侮辱したことは例え魔王様の娘であろうと・・・あっ・・・

 

 

 


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

 

 

 


FOLTEは言った:Σ
Remiliaは言った:Σ
Lunatiは言った:Σ
Miaは言った:Σ

 

エレクティスは言った:・・・誰が・・・

 

 

心なしか地響きが鳴っている気がする・・・その地響きはエレクティスの怒りとともに大きくなっていく気がした。
Miaは身の危険を感じたのか・・・凄まじい速さでその場から逃げ出し、広間からいなくなった。

 

 

FOLTEは言った:じゃあ、いってきまーす

 

 

FOLTEは何事もなかったように挨拶して全力疾走で魔王城から脱出をはかった。

 

 

Remiliaは言った:ふぇ!?ふぉ、FOLTE様ぁ待ってぇ~~~!!!?

 

 

Remiliaも急いでFOLTEのあとを追う

 

 

Lunatiは言った:き、貴様らぁ!?・・・う、うわああぁぁぁぁ!!?

エレクティスは言った:誰がババアですってぇーーーーーーー!!!!?

 

 

注:ネオク ドラゴンは鈍足です

 

 

 

 

 

 

 

 


ギャーーーーーーーーーーーーーーーーース

 

 

 

 

 

 

 


Remiliaは言った:ひぃぃぃ!?なんか悲痛な叫び声がぁ~~!?

FOLTEは言った:後ろをむくなRemilia!Lunatiの死を無駄にしたいの!?

Remiliaは言った:えぇ!?死ぬの!?

FOLTEは言った:さようならLunati・・・君のことはすぐに忘れる

Remiliaは言った:ひどっ!?

 

 

私とRemiliaはすでに魔王城から脱出し、とにかく遠くまで逃げようとする一人と一匹。
城のほうから聞こえる奇怪な断末魔は・・・確実にLunatiだと思われる・・・。

 

 

FOLTEは言った:何してるの、Remilia!はやくきなさい!

Remiliaは言った:はぁ・・・ひぃ・・・そんなこといわれて・・・も・・・はぁ・・・

 

 

どうやらスタミナ切れのようだ・・・

 

 

 

 

 

 


どこにいったFOLTEーーーーーーーーーー!!!!

 

 

 

 

 

 

FOLTEは言った:・・・はやくこないと追いつかれて死ぬわよ

Remiliaは言った:い、いやああああああ!!?

FOLTEは言った:・・・仕方ないわね、私の肩に乗りなさい

 

 

そういってすっかりバテたRemiliaを掴み、肩に乗せる。
そして再び走り出した。

 

 

Remiliaは言った:わ・・・あ、ありがとうございます~・・・

FOLTEは言った:ふん・・・

 

 

この程度でスタミナ切れか・・・全然役に立ちそうにないわね・・・
まぁ、しばらくは様子見かしら・・・

 

 

FOLTEは言った:そうそうRemilia、まだあなたの誓いの言葉を聞いてないわ

Remiliaは言った:え・・・誓いの言葉・・・?

FOLTEは言った:今日からあなたは私の下僕なんでしょ?

Remiliaは言った:あ、は、はい・・・!

Remiliaは言った:あたし、FOLTE様に一生ついていきます!

FOLTEは言った:・・・よし、いくわよRemilia!

Remiliaは言った:はい!

 

 

・・・こうして、FOLTEの世界征服の旅が始まった。
こんなドタバタな出発でいいのか、FOLTEも、Remiliaも・・・作者も心配であった・・・。

 

 

続く

 

 


おまけ


魔王エレクティス様の必殺コマンド表


↓→Aボタン デスソニックストリーム

浮遊するデスペレイドサイスを3本召喚し、対象を襲う

←→Aボタン ダブルカオスフレア

左手と右手の両方にカオスフレアをチャージし、同時に発動する。

←→Bボタン ストロングカオスフレア

通常の約3倍の威力があるカオスフレアをぶつける。


ムーンボヤージ成功後、追加入力 ←↓→↑Bボタン インフェルノシャワー

ムーンボヤージで蹴り上げた敵を瞬間移動して追い、地面に叩きつけるように殴りつける。
そしてさらにメガバーストをベ○ータ様のように20発高速連射して追い討ちを入れる


→↓←→Aボタン 暗黒魔王拳

暗黒闘気であふれる拳で1秒間に85発のパンチをいれる。
これを防ぎきって「なんだ一秒間に85発か?」
と言い返せるほどの実力があるのなら勝機は見えないこともない?


※これ意外にも必殺技があるぞ!自分で探してみよう!

 


むちゃくちゃな設定ですね、まぁ小説限定登場だからいいや(ぉ