そこは、まさに地獄のような光景であった。
荒れ果てた土地無惨に崩れた女神像、そして血みどろの湖・・・
そこは、浮遊都市バハと呼ばれるところであった。

 

FOLTEは言った:ここが、浮遊都市バハね・・・

Remiliaは言った:なんだか、怖いところです・・・

Ramsusは言った:ついにきましたな・・・隊長

Sepanaは言った:ここに、イーゴがいるのですね・・・

 

私達は、この空中に浮かぶ都市に足を踏み入れていた。
悪を倒す、その信念を貫いて・・・ついにここまできた。
イーゴ・・・あの憎き猿を、ついに倒すことができる・・・。


FOLTEは言った:それにしても・・・悪趣味なところね・・・

Remiliaは言った:人のこと言えませんよ~、FOLTE様も充分悪趣味で痛ぁ!!!

FOLTEはすぐ横に浮遊していたRemiliaに目に止まらぬ速さで裏拳を一発入れた

Remiliaは言った:ひぅぅ・・・ぁぁ・・・いたっ・・・いたいぃ・・・。

Sepanaは思った:うわぁ・・・本気で痛がってる・・・マスター、やりすぎです・・・。

FOLTEは言った:私のどこが悪趣味っていうのよ!!

Ramsusは言った:いや、隊長は悪sy・・・

 

FOLTEの目が猫の目ようにキランと光る。
それはまさに獲物を狙うような目であった、そんな目でRamsusを見る・・・。

 

Ramsusは言った:ナンデモアリマセーン

FOLTEは言った:さて・・・ふざけてないで、さっさといくわよ!

Remiliaは言った:は、はいぃ~~・・・(うぅ・・・まだ痛む

 

正直、こうやって馴れ合ってやれるだけですごいと思う。
ここは、空気が重く・・・そこにいるだけで気分が悪くなる・・・
そんな世界にいるというのに、私達はこうして話していられるのだ。

 

・・・

 

・・・

 

少し歩いていくと巨大な城が見えてきた。
非常に不気味で、そして、あまりの大きさに驚愕する。
見るだけで背筋が凍りそうな、そんな城であった。

 

Remiliaは言った:ここ・・・ですかね?

FOLTEは言った:間違いないでしょうね・・・

Sepanaは言った:ここに・・・いるのですね

 

私達は警戒しながらゆっくりと城に近づいていき、くまなく周りを確かめる。
すると城の入り口らしき門を発見した、そこに近づいていく・・・しかし・・・

 

FOLTEは言った:!?

 

地面が少し揺れたかと思うと、目の前にエンチャントスカルパスと呼ばれる黒い骸骨が突然現れた。
数も多く、ざっと数えて8匹・・・いや、10匹くらいいるように思えた。

 

Ramsusは言った:どうやら、ただでは通してくれないようですぜ・・・どうします?

FOLTEは言った:ふん・・・決まってるわ・・・殲滅するわよ!

Remiliaは言った:は~い!FOLTE様!!

Sepanaは言った:了解です!マスター!!

Ramsusは言った:イエッサー!!

 

下僕達の返事とともに、各自戦闘体勢に入る。
準備が整ったところでスカルパス達が一斉に襲いかかってきた。

 

FOLTEは言った:あら、わざわざ待っててくれたのかしら、礼儀をしってる奴は好きよ・・・ふふっ

Ramsusは言った:よーし、いくぜー!

 

最初に先陣を切ったのはRamsusだった、自慢の素早さで一気に間合いをつめていく
Ramsusに反応し、一匹のスカルパスがRamsusに斬りかかる。

 

Ramsusは言った:ふっ、遅いぜ!

 

Ramsusはいとも簡単に攻撃を避ける。
そしてそのスキを逃さずスカルパスの首元を斬りつけた。
スカルパスの頭は地面にゴロリと落ち、そして動かなくなった。

 

Ramsusは言った:一丁上がりっと!さぁ、次だ!

 

素早く次のターゲットにむかうRamsus、しかし・・・

 

Ramsusは言った:あっ!!

 

Ramsusが倒そうとしたスカルパスは、どこからともなく飛んできた矢に貫かれて崩れ落ちる。
矢の飛んできた方向を見るとそこにはSepanaが弓を構えて立っていた。

 

Ramsusは言った:Sepanaー!!今のは俺の獲物だぞ!!

Sepanaは言った:何をいってるんですか、私が最初に手を出したのですから私の獲物でしょう

Ramsusは言った:な、なにをこいつー!!

FOLTEは言った:はいはい、こんなところきてまでケンカしないの!

 

一触即発しそうな二人を制止する。まったく、世話の焼ける下僕達だ。
けど、そんな下僕達を連れてこんなところまで来ている・・・。
なんだかんだいって、こいつらは大切な存在なのかもしれない・・・。

 

FOLTEは言った:それにしても、強くなったわね、あなた達・・・

Sepanaは言った:はい、マスターのおかげです

Ramsusは言った:隊長のおかげっすよ!

 

共に戦ってきた、たくさんの修羅場をくぐり抜けてきた。それを考えれば嫌でも強くなるかもしれない。
昔はAnjericaやMildredが主力だったけど、いまではこいつらも魔王軍の立派な主力だ。
とても役に立ってくれる。

 

Remiliaは言った:ふあぁぁあぁああぁぁぁぁん!!!!

 

・・・ただ一匹を除いては・・・

 

Remiliaは言った:ひぃぃぃ!!FOLTE様!た、助けてください~~~!!!!

 

Remiliaはスカルパスの大群に追われて逃げ回っていた。とにかく必死になっている。
・・・本当に、世話の焼ける下僕だ!


ブリザード!!


呪文を詠唱し、強力な吹雪を起こす。Remiliaを追い回していたスカルパス達は凍りついて動きが鈍くなっていた。
魔法攻撃を受けてスカルパス達が反応し、FOLTEの方へむかおうとする。
しかしブリザードを喰らってしまった時点で、もう遅かった。

 

FOLTEは言った:ふふっ・・・凍りついてまともに動けないでしょ・・・?

 

少し余裕を見せながらゆっくりと呪文を唱えていく・・・。

 

FOLTEは言った:くはははは!死ねー!!

 

ストロングボルト!!

 

激しい雷鳴と共にスカルパス達の頭上に雷雲が迫る。
一瞬光ったかと思うとスカルパス達に強烈な雷撃があびせられた。
スカルパス達は黒こげになり、パラパラと崩れて消えていった・・・。

 

Remiliaは言った:はひぃ~・・・あ、ありがとうございますFOLTE様ぁ~・・・。

FOLTEは言った:・・・あんた、ほんっとに役に立たないわね

Remiliaは言った:うぅ・・・ごめんなさい・・・

FOLTEは言った:・・・ふん、さぁ、敵も殲滅したし進むわよ!

Remiliaは言った:はい・・・

 

スカルパスを退治したところでさらに門に近づく・・・すると・・・

 

FOLTEは言った:ん・・・?

 

門が重い音を立ててゆっくりと開く・・・。
そして、門の中から二つの怪しい影が近づいてきた。

 

Remiliaは言った:な・・・何・・・?

 

様子を見てそのまま待っていると、その姿が明らかになる。
一つの影の正体は、エンチャントナイトと呼ばれる亡霊の鎧騎士・・・。
そして、もう一つの影の正体は、コンバインと呼ばれる奇怪な生き物であった・・・。

 

FOLTEは言った:さっきの奴らよりはまだできそうね・・・。

Remiliaは言った:うぅ・・・なんかすごく強そう・・・。

 

二匹が門からでてきたと思うと、門はまた重々しい音をたてて閉まる。
そして戦闘態勢に入ってこちらにむかってきた。

 

Ramsusは言った:やる気のようだな・・・とっとと片付けちまおうぜ

FOLTEは言った:そうね・・・長引くのもめんどうだわ、一気に決めましょう


FOLTEは言った:これでも喰らえ!!

 


メガバースト!!


FOLTEは呪文の詠唱を始める、FOLTEの手にみるみるうちに火炎が集まっていき、凄まじい威力を凝縮した火の玉ができあがった。
そしてその火の玉はエンチャントナイトに放たれた。

 

リベンジガード!!


FOLTEは言った:何っ!?


メガバーストがエンチャントナイトの盾に直撃する。しかし、いつものようなハデな爆発はせず、火の玉はそのままこちらに跳ね返ってきた。


Remiliaは言った:うわぁ!?危ない!!

FOLTEは言った:ちぃ!!


跳ね返ってきた魔法を紙一重でかわす、魔法は標的を失いそのまま大爆発を起こした。


FOLTEは言った:なんて奴なの・・・魔法を跳ね返すなんて・・・!

Ramsusは言った:隊長、後ろ!


いつのまにかコンバインが背後に回りこんで来ていた。
コンバインは腕を大きくあげて拳を振り下ろす。

FOLTEは言った:くっ・・・!

Sepanaは言った:マスター!!

 

Sepanaは矢を放ち、援護射撃を行う。その矢はコンバインの腕に見事に突き刺さった。
その攻撃でコンバインの攻撃はわずかにずれてFOLTEはなんとか避けることができた。

 

Ramsusは言った:隊長!こいつはまかせてください、隊長はあの鎧野郎を頼みます!

FOLTEは言った:わかったわ・・・頼んだわよ!

 

コンバインの相手はRamsusとSepanaにまかせ、自分はエンチャントナイトとの戦闘に集中することにする。

 

FOLTEは言った:魔法が駄目なら・・・接近戦をするまでよ!

 

サイドキック!!

 

FOLTEは一気に近づいてエンチャントナイトの腹部と思われるあたりに強烈なキックを入れる。
その攻撃でエンチャントナイトはひるんでしまう。

 

ブレインストライク!!

 

高く飛び上がってエンチャントナイトの頭上へ、そして、エンチャントナイトの頭部にかかと落としを入れた。


FOLTEは言った:どうだ!


しかし、エンチャントナイトは再び起き上がる、それどころかまったくダメージを受けている様子ではない。

 


FOLTEは言った:はぁ・・・やっぱりだめか・・・

 

やはりあの装甲ではキックは受け付けない・・・
かといって魔法はあの盾で跳ね返されてしまう、どうすれば・・・

 

Remiliaは言った:FOLTE様・・・

FOLTEは言った:ん・・・何よ


Remiliaが突然名前を呼んで話かけてくる、Remiliaは何か決心付いたような顔をしていた。


Remiliaは言った:あたしがおとりなります・・・!だから、その間にFOLTE様が攻撃してください!

FOLTEは言った:・・・

 

Remiliaのその言葉に少し驚いた。
あまり戦闘が好きじゃないRemiliaが自分から前にでてくるのは滅多にないからだ。

 

FOLTEは言った:・・・わかったわ、ただし、失望はさせないでね

正直あまり頼れる感じではないが、いまのままではどうすることもできない、だからRemiliaにまかせることにした。

Remiliaは言った:は、はい!よし・・・いきますよぉー鎧騎士さんー!!

 

Remiliaは勢いよくパタパタと飛んでいき、エンチャントナイトに近づく。
エンチャントナイトは近づいてきたRemiliaに反応して容赦なく剣を振りまわした。

 

Remiliaは言った:わわっ・・・とっ・・・ひぃ!!

 

Remiliaはエンチャントナイトの攻撃を危なっかしく避けている。
普通ならそっこう斬り捨てられそうなところだが、小柄な身体が幸いしているのか、不慣れな動きでもなんとか避けられている感じであった。

 

Remiliaは言った:い、いまだぁ!!

 


ダイブボミング!!

 


剣を振り下ろしたスキを見計らい、ダイブボミングを発動する。
だが、読みが甘かったのだろうか・・・。


リベンジガード!!


エンチャントナイトは素早く盾を構えてRemiliaの攻撃を受け止める。
そしてRemiliaを思いっきり盾で殴りつけて跳ね飛ばした。


Remiliaは言った:きゃあああああ!!!!


FOLTEは言った:よくやったわ、Remilia・・・

 

 

エンチャントナイトがリベンジガードを発動したスキを狙い、FOLTEは懐に潜りこんでいた。
そして、エンチャントナイトにそっと手をあてる・・・。

 

 


FOLTEは言った:消えてなくなれ!!

 


カオスフレア!!

 


あらゆる負のエネルギーが混じった凶悪な力がエンチャントナイトを襲う。
毒々しい炎に包まれ、爆発したかと思うと、エンチャントナイトは一瞬にして消し飛んでしまった。

 


FOLTEは言った:ふぅ・・・Remilia!大丈夫!?

勝利の余韻にひたる暇もなく、殴り飛ばされたRemiliaに呼びかける。
Remiliaは地面にペタリと横たわっていた。

Remiliaは言った:だ、大丈夫です~・・・よかった、倒せたんですね・・・

 

FOLTEの声に反応して再びパタパタと羽を動かして飛び上がる。
しかしその飛び方はフラフラしており、明らかに無理をしていた・・・。

 

Remiliaは言った:FOLTE様・・・あたし、役に立ったかなぁ?

FOLTEは言った:・・・・・・

ひょっとしてRemiliaはあの「役に立たない」という言葉を気にしてこんな行動をとったのだろうか・・・?

FOLTEは言った:・・・あなたも、やればできるじゃないの

自然にそんな言葉がでてくる、何はともあれ今回は本当に役に立ってくれた、褒めてやるのが道理だろう。

Remiliaは言った:・・・あ、ありがとうございます!

 

Remiliaは喜び、嬉しそうに羽をパタパタさせる。
そのしぐさを見てFOLTEは少し後悔したようなため息をし、照れくさそうにする。
何言ってるんだ、私は・・・そんな感じのしぐさであった。

 

・・・

 

・・・

 

Ramsusは言った:くそっ!なんて堅ぇんだ!

Sepanaは言った:もう・・・残りの矢が・・・

 

一方、RamsusとSepanaはコンバイン相手に苦戦をしいられていた。
コンバインの強靭な肉体、剣はあまり効かず、そして矢もたいして効いている様子がない。
Ramsusの短剣も刃こぼれを起こしてしまい、Sepanaも残りの矢が少ない。
こちらがやられるのはもはや時間の問題であった。

 

Ramsusは言った:なぁ・・・Sepana・・・

Sepanaは言った:なんですか・・・?Ramsus

Ramsusは言った:ちょっとだけでいい、俺に力を貸せ

Sepanaは言った:・・・気が合いますね、私もそれを考えていたところです。

Ramsusは言った:ふっ・・・それなら・・・話は早ぇ!!

 

そういうとRamsusは再びコンバインに突っ込んでいった。

 

Ramsusは言った:うおおおおおお!!!!

 

Ramsusは雄たけびをあげながら斬りかかるような体勢をとる。
コンバインは突っ込んでくるRamsusをねじふせるように腕を振り下ろした。

 

Ramsusは言った:おっとぉ!!

 

そこでRamsusは斬りかかるモーションを突然やめ、攻撃を避ける。
コンバインは大振りの攻撃をはずしてしまい、スキだらけとなった。

 

Ramsusは言った:いまだ!Sepana!!

Sepanaは言った:言われなくてもわかってますよ!


ホープレスショット!!


Sepanaの鋭い一撃がコンバインにむかって放たれる。
その一撃は見事にコンバインの片目に命中した。
その激痛にもがき苦しみ、暴れだしたコンバインだったが、すぐに正気を取り戻し、目に突き刺さった矢を引き抜いた。
冷静さが戻ってきたところで、さきほど接近戦を挑んできたRamsusを探すが、そこにはRamsusの姿はなくなっていた・・・。


Ramsusは言った:はああああああああああ!!!!


Ramsusの雄たけびが聞こえる、Ramsusは上空に飛び上がり、思いっきり斬りつける体勢をとっていた。
コンバインはその雄たけびに反応して上を見るが、気づいた時にはもう遅かった。


エクセキューション!!


コンバインは回避はおろか防御さえすることができず、まともにRamsusのエクセキューションを受ける。
コンバインは一刀両断され、まっぷたつになり、地面に崩れ落ちた。


Ramsusは言った:おっしゃあああ!!勝ったぜぇーーーー!!!!

Sepanaは言った:はぁ・・・危なかった・・・


見事戦闘に勝利し、Ramsusは喜びの雄たけびをあげた。
Sepanaは緊張の糸が途切れたのか、ため息をついて座り込んだ。

 


・・・

 

・・・

 


FOLTEは言った:さて・・・いよいよね

 


城の門はもう目の前だった、この先に私が目標としていたターゲット、イーゴがいるのだ。
ついに奴と戦うことができる・・・そう思うとドキドキして仕方がなかった。

 

さぁ、いこう。その言葉を口にしようとした、その時だった・・・。

 

Remiliaは言った:はぁ・・・はぁ・・・

FOLTEは言った:・・・? どうしたの、Remilia?

Remiliaは言った:い、いえ・・・なんでもないです、あはは


Remiliaはなんだか不安定な飛び方をしていた。そう、それは明らかに無理をしていた。
あまり体力のないRemiliaには今回の戦闘はかなり無茶なものがあったのだろう。
・・・Ramiliaは昔からごまかしたりするのが下手だ、笑顔を見せて大丈夫に見せたつもりなのだろうが、バレバレであった。


Ramsusは言った:どうしたんです隊長?いきましょうぜ!

FOLTEは言った:・・・・・・

 

先ほどのコンバインとの戦いでかなり無理をしたのか。
Ramsusの持っている短剣は刃こぼれが酷く、いつ折れてもおかしくない状態であった。

 

Sepanaは言った:・・・マスター?

 

Sepanaの矢もほとんど底をつきかけている、このまま、突入すれば確実に・・・

 

FOLTEは言った:・・・あなた達、よくがんばったわね

Remiliaは言った:・・・え?

 


何を考えたのだろうか、私の出した答えは、こうだった・・・。

 


FOLTEは言った:ここから先は私一人でいく

 

Sepanaは言った:!!

Ramsusは言った:そ・・・そんな!隊長!!

Remiliaは言った:な・・・なんで、なんですか!FOLTE様!!

FOLTEは言った:なんでかわからないの・・・?簡単なこと、足手まといになられたくないからよ!

Remiliaは言った:っ・・・

Sepanaは言った:マスター!そんな・・・言い方・・・

FOLTEは言った:・・・あなた達も、自分の武器をよく見なさい。そんな状態で突入すれば無駄死にもいいとこだわ!

Sepanaは言った:・・・・・・

Ramsusは言った:・・・わかってます・・・わかってます!!・・・けど・・・


それでも下僕達は納得いかなそうだった。
ここまできたのに・・・せっかくここまできたのに・・・魔王と共に戦えない・・・
悔しさ・・・悲しさ・・・そんな感情が一気に押し寄せてくる・・・。


FOLTEは言った:・・・あなた達は、まだここで死ぬにはおしいのよ・・・だから、ここで待ってて

 

その言葉にRemiliaは何か勘付いたのか、キョトンとした顔をし、こう言った。

 

Remiliaは言った:・・・FOLTE様・・・もしかして、あたし達の心配をして・・・?

FOLTEは言った:なっ・・・ち、違うわよ!役立たずになってほしくないだけよ!!

Remiliaは言った:・・・

Sepanaは言った:・・・

Ramsusは言った:・・・

 

下僕達は魔王の気持ちを察したのか・・・急に表情が柔らかくなった。

 

Sepanaは言った:・・・ふふっ

FOLTEは言った:・・・な、なによ

Ramsusは言った:へへっ、隊長のそういうところ、かわいいn・・・

 

ドロップキック!!

 

Ramsusは言った:ぎゃああああああ!!!!

Remiliaは言った:Σ

Sepanaは言った:Σ

FOLTEは言った:と・に・か・く!!ここで待ってろ!!いいわね!?

Sepanaは言った:は、はい・・・!

FOLTEは言った:ふん・・・!

 


FOLTEは下僕達に背をむけ、門へとむかう。

 


Remiliaは言った:FOLTE様!!

FOLTEは言った:何よ・・・まだなんかあるの?

 

Remiliaを見る、Remiliaは少し涙目になっており、今にも泣きそうな顔をしていた。

 

Remiliaは言った:FOLTE様・・・死なないで・・・絶対、帰ってきてください!約束してください!!

 

FOLTEは言った:・・・・・・

 

Remiliaに近づいていき、目の前で立ち止まる。
そして、Remiliaに力いっぱいでデコピンを入れた。

 

Remiliaは言った:あいたっ!!

FOLTEは言った:私が死ぬはずないでしょ?

 

それだけをいうと、FOLTEは再び背をむけ、門にむかった。

 

Remiliaは言った:・・・はい・・・FOLTE様!

 


重々しく巨大な門・・・そう簡単には開けられそうに見えたが
扉にそっと触れたとたん、門がギィィと重い音を立ててゆっくりと開いた・・・。

 


FOLTEは言った:くくくっ・・・見えるわ・・・

FOLTEは言った:この城の奥でほくそえむ・・・イーゴのふざけた面が・・・

そして、FOLTEは・・・城の中へと入っていった・・・。

 

・・・

 

・・・

 

城の中は、不気味なほどの静けさが漂っていた・・・。どれだけ進んでも、聞こえるのは自分の足音くらいだった。
入った途端ザコ敵に大歓迎されるのかと予想をしていたが、敵一匹姿を見せることはなかった・・・。

 


FOLTEは言った:・・・普通は侵入者を排除するためにザコ敵を送るものじゃないかしら・・・

 


そんなことをつぶやきながらもゆっくりと進んで城の奥へ進んでいく・・・。

 


・・・

 


そのまましばらく進むと、なにやら広間と思われる広大な場所にでてきた。
そして・・・そこには私がずっと探し求めていた敵・・・そう・・・イーゴが立っていた・・・。

 


FOLTEは言った:さしずめわざとここまで通したという感じね・・・余裕見せてくれるじゃないの・・・イーゴ

 


私はこの日をずっと待ち望んでいた。
けど、そんな望みもイーゴにとってはただの暇つぶし、お遊びとでもしか考えてないような感じだ。
イーゴは薄汚い笑いをし、私を見下すような目で見ていた・・・。

 


FOLTEは言った:でも、その余裕もここまでよ・・・・・・この日を・・・どれだけ待ち望んだことか・・・

 

FOLTEが、血塗られた鎌を両手で持ち、構えた・・・

 

 

FOLTEは言った:決着をつけるぞ!イーゴ!!

 

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 


Remiliaは言った:FOLTE様・・・大丈夫かなぁ・・・

 


FOLTE様が、城に突入してかれこれ2時間くらいだろうか・・・。
けどその2時間が1日と思えるくらい、長い時間に思えた・・・。
あたしと、Sepanaと、Ramsusは・・・ただ、ただFOLTE様の帰りを待つばかりだった・・・。

 

Ramsusは言った:隊長・・・

Sepanaは言った:・・・やっぱり、やっぱり私達も城へ・・・!

Ramsusは言った:バカいうな!俺たちがいったところで、隊長の足をひっぱるだけだ!!

Sepanaは言った:でも・・・

Ramsusは言った:くっ・・・

Remiliaは言った:・・・・・・

 

Ramsusも、Sepanaも・・・当然あたしも、FOLTE様が心配で仕方がなかった・・・。
できることなら・・・すぐにでも飛び出して、FOLTE様に会いたい・・・けど・・・

 

・・・

 

どこからともなく足音が聞こえた。

 

Sepanaは言った:・・・!? 誰!?

 

足音の聞こえる方向を向くと人影が見えた、その人影はこちらに近づいてくる。

 

Remiliaは言った:まさか・・・敵?

Ramsusは言った:くっ・・・こんな時に!

 

その人影はすぐに姿を現した。
しかし、そこにいるのは敵ではなかった。

 

Remiliaは言った:あ・・・あなたは・・・

 


そこには、青いローブと大盾が特徴の、女のコグニートが立っていた・・・。

 

 

 

 

終わり(何

以上、ルークZeroさんの夢でした。
半端に終わりすぎ・・・?
だって・・・夢のお話だもん!(ノω`)